安全なダイビングを目指して、このような勉強会が開かれたことをうれしく思いました。
日ごろ、ダイビング中に起きた事故の報に接しても、事故に至る詳細な経緯が判明せず、
ただ単にダイビング中にこのような事故があったという結果だけがわかるだけなので、
もし、自分自身が事故に遭遇したならば、その事故に対してどのような対応をとらなければならないかが、
今一度考える機会を与えられました。
この勉強会では、潜水事故統計のみを伝えられる他の勉強会と異なり、
大阪海上保安監部の係官による事故内容の概略説明がなされ、どのようなときに事故が起こるかを改めて認識させられました。
事故者の捜索では、航空機・船舶からの事故者の見え方のスライド画面を見て、事故者発見の難しさが改めてわかり、
ミラーなどの有効性が確認されました。
事故者を船上に引き上げる場合でも、ロープをうまく使えばたとえ事故者の意識がなくても、
容易に船上へ引き上げることをできるのがわかり大いに参考になりました。
潜水事故に関する報告では、一方は事故者がダイビングを再開しており民事訴訟には発展せず、
もう一方は事故者がリハビリ中の状態でもあり、その事故に関係したインストラクター(ガイドダイバー)として
民事訴訟に発展する可能性がある内容を報告され、公表されていない関係者だけが知りえる情報に接することができたことは、
インストラクターとして事故を起こさないために自らが持つ知識や技術はどうあるべきかを、改めて考えさせられました。
最後のテーマの事故情報の収集と分析では、事故関係者の匿名による報告書を詳細に記入提出してもらうことにより、
ダイビング中の事故に至る要因を解明する手がかりを得ることができ、それにより潜水事故を防止するための方策を策定し、
普及啓発へとつながるのではないかと思います。
今回の勉強会を受講して感じたことは、長年知識や技術として理解していても、
ややもするとちょっとした気の緩みなどで事故は起こるということがわかり、
インストラクターは絶対に事故を起こさないという確固たる信念の基に細心の注意を払い行動することが大切で、
そのためには各自が日ごろから研鑽を積むしかなく、次回以降も積極的に勉強会に参加しようと思います。
KD Japan
中山 重幸